角界で一人前と認められるのは、関取になってから。給料をもらえるのはもちろん、巡業先のホテルのランクや交通手段など、待遇も千差万別だ。若い衆は夢の関取を目指して日々稽古に励んでいる。
若い衆には、部屋ごとにさまざまなルールがある。
ある部屋では、三段目に昇進するまでは携帯電話はもちろん、通信機器の使用も禁止。最近めっきり見かけなくなった公衆電話を探して汗だくになることもあるという。
また別の部屋では、なんと報道陣との会話すら厳禁。「関取に上がるまではダメなんです。自分は人間じゃないんで」。冗談とも取りがたい言葉を残してそそくさと立ち去る若い衆もいた。
一方、ひときわ喜びをかみしめるのは新十両の大翔丸(23=追手風)。大阪出身だが中学から親元を離れ、兄弟子の遠藤と同じ石川・金沢学院東高-日大とエリート街道を駆け上がってきた。その間ずっと寮生活だったため「1人暮らしは初めて」。厳密には一軒家に十両大栄翔と2人住まいだが「テラスハウスみたいですね。いろいろ楽しいです。番付発表以降は一度も部屋で夕食を食べてないっす」と、関取ライフを存分に楽しんでいるようだ。
番付が物を言う世界。だからこそ、稽古にも身が入るのかもしれない。【桑原亮】

