<ワクチンファイト>◇13日◇東京・新宿FACE

 発展途上国の子どもたちにワクチンを贈るため収益の全額を寄付するチャリティー大会で、“闘う歯科医”甲斐拓也(45)が完敗を喫した。パンクラスの佐藤光留とのタッグで、スウェイン・キャンコ(サイパン)関根龍一(K-Dojo)組と対戦。総合格闘家の宮田和幸に師事して鍛えた重いキックで攻めたが、本業は歯科医のセミプロ。徐々にプロの蹴りと打撃にスタミナを奪われ、8分4秒、グラウンドでキャンコから頭部への連打を受けたところで、レフェリーが試合を止めた。倒れ込むように花道の奥へ引き上げると、選手に出場を呼びかけるなどの支援を受けた高山善広に「すみません」と、悔しそうな表情で頭を下げた。

 歯科医として続けてきた「インプラント治療1本につきワクチン100本寄付」という活動を子どものころから好きだったプロレス、格闘技に拡大したイベント。ふらふらになりながら「悔しい。キャンコにも借りを返さなければならない。このイベントを続けたい。私の活動を見て『契約を取ったらワクチンを寄付する』というセールスマンもいた。ここの収益だけでなく、波及するものもある。次に向けて、しっかりとした準備をしたい」と、選手とチャリティー活動家の両面で活動を継続することを誓った。

 また、この日のリング上で、収益金の目録をJCV(NPO法人

 世界の子どもにワクチンを

 日本委員会)の代表者に贈った。