<プロボクシング:WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇27日◇東京国際フォーラム

 王者粟生隆寛(28=帝拳)は、同級4位ガマリエル・ディアス(31=メキシコ)に0-3の判定で敗れ、4度目の防衛はならなかった。3度目の世界挑戦となったディアスにとっては、念願の世界王座獲得となった。<1回>

 開始直後からディアスは右のボディーを狙ってくる。粟生は距離を保ちながら左を繰り出す。残り1分を切ってから、粟生は立て続けにディアスの右をもらってしまった。粟生にとっては、様子見のラウンドとなった。<2回>

 前に出て右を繰り出すディアスに、粟生は後ろに下がってしまう。中盤からは粟生が前に出て左を出していく。残り10秒、左ストレートがディアスの顔面をとらえる。徐々に粟生にエンジンがかかってきた。<3回>

 打ってくるディアスに合わせに行く粟生。開始40秒、左のカウンターがクリーンヒットした。1分30秒、粟生の左目の上から出血。故意のバッティングでディアスは1ポイントマイナスされた。終了間際、左を当てた粟生だが、挑戦者も前に出ることをやめず、接近戦になった。<4回>

 相変わらず両者とも前に出て打ち合うが、1分までにクリーンヒットはない。1分20秒、粟生の左がディアスの顔面をとらえる。残り1分、ディアスの強烈な右がヒットし粟生はぐらついた。残り40秒にも右をもらってしまった。この回も最後は激しい打ち合いとなった。公開採点は38-37で粟生が1人、38-37、39-36でディアスが2人。<5回>

 開始30秒、ディアスはローブローでマイナス1ポイント。公開採点で劣勢の粟生は左ジャブでやや距離を空ける。しかしディアスの右を止められず。顔面にパンチをもらってしまう場面が多い。飛び込んで右を出す挑戦者に手を焼いている印象。<6回>

 開始20秒、粟生のワンツー。1分には左のボディーがヒット。この回は粟生が先手を打って攻めに出る。1分50秒、ディアスの連打も冷静にかわした。残り10秒、カウンター、左、左と立て続けにヒットさせた粟生。劣勢挽回へ反撃のラウンドとなった。<7回>

 このラウンドも前に出る粟生。開始50秒、カウンターでディアスをよろめかせた粟生。コーナーにディアスを追い詰めると、残り1分20秒にも再びカウンターが決まった。ロープ際に相手を下がらせて戦う粟生。残り30秒、15秒と左を当てた。粟生のパンチが当たってきた。<8回>

 ややスピードが落ちてきたディアスに攻勢に出る粟生。クリンチで逃れる場面も多くなってきた。左を伸ばし相手をロープに追い込む粟生だが、クリーンヒットが出ない。残り30秒、バッティングの傷から激しく出血した粟生。目に血が入ったか、終了間際、不用意に右をもらってしまった。公開採点は76-74で粟生が1人、76-74でディアスが2人。<9回>

 採点で劣勢の粟生は前に出ていくが、やはりクリンチで逃れる挑戦者。変わらず顔面は出血がみられ、その影響か簡単にパンチをもらってしまう場面もあった。残り30秒、粟生の左ストレートで挑戦者の右まぶたからも出血。両者が流血する激しい戦いとなった。<10回>

 この回もディアスを後ろに下がらせて戦う粟生。1分30秒、左のボディーをヒットさせる。疲労がある相手に攻勢に出た粟生だが、ディアスも右ボディーを繰り出して反撃。最後も挑戦者の右を顔面にもらってしまったところでゴングが鳴った。<11回>

 打って変わってディアスが前に出てくる。1分10秒、粟生は右ストレート食らってしまう。粟生はなかなか決め手のあるパンチをヒットできない。顔面からの出血がさらに激しくなった粟生。明確なリードを奪うことができないまま最終ラウンドをむかえることになった。<12回>

 開始直後、ディアスの右。粟生も30秒左ストレートを伸ばした。勝利を意識しているか、ディアスも前に出る。リング中央で打ち合いになるが、クリンチに逃れるディアスにやはり決め手が出ない粟生。単発で相手の顔面をとらえることがあっても、その後が続かなかった。粟生は血で顔面を真っ赤に染めて戦ったが、ダウンを奪えずに試合が終わった。判定は3-0でディアスの勝利。決定打を欠いた粟生は、序盤のビハインドを挽回できなかった。