日本ボクシングコミッション(JBC)は25日、UNITED(ユナイテッド)ジムから出されていた元世界3階級王者亀田興毅(27)のライセンス更新申請を却下した。亀田と同ジム三好渥義会長からのヒアリングを受けて同日、都内で2度目の資格審査委員会を開催。三好会長が亀田を「コントロールできない」と結論付けた。今回の決定で、亀田は同ジムに所属して試合をすることが不可能となり、事実上、移籍が却下されたことになる。

 興毅の今後の選択肢は(1)JBCが納得する新たな移籍先を探す(2)ボクシング協会の預かり選手となる(3)海外で戦うの3つだろう。だが(2)は協会の幹部が「100%ない」と断言するなど現実的ではない。(3)は最も容易といえるが、興毅はWBAスーパーフライ級王者・河野との4階級制覇をかけた試合を目指しており、亀田側の関係者も「興毅は日本での試合にこだわりが強い」と話すなど可能性は低い。

 残された選択肢は(1)だ。ただ、ボクシング関係者によると、UNITED以外の大手ジムとの交渉は不調に終わっているといい、「世界戦を行った実績があるジム」などの基準を提示しているJBCが納得する移籍先は多くない。

 JBC側は事前の連絡なしに移籍を発表するなどの亀田側の対応に不信感をもっている。秋山理事長は「常識的に考えて、根回しみたいなものがあってもいいんじゃないか」と口にした。両者の溝は想像以上に深い。興毅の八方ふさがりの状態は続きそうだ。【奥山将志】