<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇5日◇東京・代々木第2体育館

 WBC世界フライ級王者八重樫東(31=大橋)が、同級1位ローマン・ゴンサレス(27=帝拳、ニカラグア)に敗れ、4度目の防衛に失敗した。39戦無敗で「軽量級最強」と称される怪物に9回2分24秒、レフェリーストップによるTKOで屈した。

 アマ時代から126連勝中のゴンサレスが、圧倒的な強さで3階級制覇を実現した。開始から重く硬いパンチを打ち込んでポイントを稼ぐ。9回には連打からの左フックで王者からダウンを奪い、TKO勝利。母国ニカラグアの英雄アルゲリョに並ぶ3階級制覇に、両手を上げて涙を流した。

 強すぎて、世界中のボクサーから逃げられ、12年11月以来、約2年ぶりの世界戦。自宅には八重樫の写真を4枚張って、闘志を高めてきた。一方、試合では完全アウェーも冷静さを失わない。「試合は12回ある」と、反撃を食らっても的確に打ち返し、ポイントを譲らなかった。

 完勝だったが、八重樫には敬意を示した。「効いたパンチはたくさんあった。今までで一番強い相手。万全でなければ負けていた」と、チャンスを与えてくれた感謝を交えながらたたえた。