大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査が4日、両国国技館内の相撲診療所で行われ、受検した4人全員が、体格基準の167センチ、67キロをクリアした。

 人見元基(21=武蔵川)、葉梨直樹(22=同)、中野洋介(22=同)、服部祥多(17=式秀)の4人。合格者は内臓検査を経て、初日の13日に発表される。

 他のスポーツから、夢を捨てきれずに相撲へ転向し、角界の門をたたいた若者が2人いる。中野は、松山大薬学部の4年生だ。父は松山市内の開業医で、薬剤師を目指していた。自分も医療の道を歩むため入学したが「もう大学も、薬剤師になることも一切、考えないで、大相撲のことだけを考えます」と門をたたいた。

 破天荒ぶりは他にも。中学以降は高校、大学と合わせ、全て競泳の背泳ぎで全国大会に出場した。だが小学生のころ、大会に出て負けた悔しさから相撲が忘れられず、大学3年の春から水泳を止め、市内の相撲道場で稽古を重ねた。学生の西日本体重別85キロ未満で7位に入り、この秋の全国学生体重別の出場権も得た。だがそれに出場しては遅いと、新弟子検査を受けた。「まずは体重を増やしたい。当面の目標は三段目に上がること」と、現実もしっかり見据えていた。