6戦全勝同士で争われた序ノ口の優勝を決める一番は、西15枚目の周志(20=木瀬、本名・前田周司)が、東30枚目の福倭(22=春日山)を押し出しで破り、復活Vを果たした。

 最高位の三段目だった昨年5月の夏場所の6番相撲で右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂。2カ月後の7月に、右膝の膝蓋腱(しつがいけん)から移植する手術を行った。稽古再開は今年に入ってから。「正直、焦りました。でも、まだ若い。しっかり体を作りゼロからスタートしよう」と思い直し、復帰への階段を上った。

 昨年名古屋場所から3場所は全休し、今年は各場所1番ずつだけ、本割をとった。「膝の様子をみながら本場所の感覚を思い出すため」の出場だった。そして今場所、皆勤の7番を全勝で飾り「緊張せず腕も伸び前に出られた。ケガをせず、まずは幕下を目指したい」と今後の抱負を語った。