これが男・豊ノ島の相撲だ! 33歳のベテランが攻めの姿勢を取り戻した。陥落した幕下で4場所目を迎えた東幕下19枚目の豊ノ島(33=時津風)が、連勝で星を2勝3敗と盛り返した。

 西幕下23枚目の一木(23=玉ノ井)と対戦。立ち合いで左、右ときれいに二本入ると、一気の寄りで勝負をつけた。今場所、一番の内容を伴った白星を「しっかり踏み込めて自分の相撲が取れた。二本入っても慌てず、腰を落として良かったですね」と振り返った。

 3連敗を喫した6日目の取組後、語っていたことがある。「変なプライドがあって、どうしても受けてしまう」。三賞10回、金星4個、優勝次点5回。そんな勲章が、番付を落としたことで、知らず知らずのうちに頭をもたげてしまった。それが受けの相撲になり負け越しに崖っぷちの状況に追い込まれた。

 だが同時に、その「プライド」を口にした後は切り替わった。よそいきの相撲はやめよう-。4番相撲とこの日と、立ち合いで連続して張っていった。

 豊ノ島 幕下に下がって張り差しというのも、どんなものかな…思ったけど、張って相手の動きが止められるなら、そういうこともしないと。気持ちが切り替わっていなかったら、張り差しにはいっていなかった。相撲は攻めが大事だということ。攻めてからの動きが一番大事。

 横綱白鵬が、かつて口にした言葉も思い出した。

 豊ノ島 白鵬関は、どんなに勝っても完璧はなく(相撲は)奥が深いということを言ってた。勉強で偉くなった人は、いくつになっても勉強している。そんな人が結果を残している。いくつになっても勉強です。

 約12年ぶりに陥落している幕下は、豊ノ島にとって再度のスタート地点。ここで得た貴重な経験を、返り咲きを誓う関取の地位で生かす。