AKB48渡辺麻友(21)は、吹っ切れたような表情だった。得票数16万5789。昨年を上回ったが、届かなかった。「悔しい気持ちはありますが、3位という順位をいただき、感謝してもしきれないです」。前年1位が3位に下がるのは初めてのケースだが、表情は晴れやかだった。「2連覇したいとは思っていましたけど、正直厳しいかなと、うすうす感づいていたので…」。なんとなく、結果を悟っていた。

 総選挙だけに集中できる状態でもなかった。3月からフジテレビ系主演ドラマ「戦う!書店ガール」の収録が始まり、睡眠時間1~2時間の日々。プライムタイムの連ドラ初主演のプレッシャーもある中、「芸能界一忙しい」と言われるスケジュールをこなした。今月4日のクランクアップでは人目もはばからず号泣し「この3カ月を、一生忘れません」とあいさつ。その足で、福岡に向かった。

 後輩たちの見本となる、完全燃焼の1年だった。それでも「私は、負けず嫌いなので。まだまだ現状に満足せずに、常に上を目指して、日々、目の前のことに取り組んで、一生懸命頑張りたい」と力を込めた。飽くなき向上心で、愚直に走り続ける。【横山慧】