乃木坂46が初主演するテレビ東京系ドラマ「初森ベマーズ」(10日スタート、金曜深夜0時12分)に、女子ソフトボール日本代表の上野由岐子(32)山本優(26)が出演することが9日、分かった。作品はソフトボールを題材にしたスポ根ドラマ。乃木坂46メンバーは、愛着のわいたソフトボールが東京五輪で復活することを願っており、上野もアイドルパワーの後押しに期待を寄せた。

 乃木坂46メンバーは、都内の収録現場で上野、山本と初対面した。主人公の投手を演じる西野七瀬(21)は、捕手役の高山一実(21)を相手にした投球練習を上野にチェックしてもらった。球筋は乱れたが「フォームにくせがないので、あとはボールに慣れれば、制球できるようになりますよ」と褒められた。北京五輪で世界の頂点に立った日本の大エースの激励に「はい、ありがとうございます」と感激の様子で答えた。

 上野と山本は、少女たちが結成したソフトボールチーム監督の知人という設定の本人役で、第8話(来月28日放送)にゲスト出演する。主人公に「魔球」を伝授する場面も。演技経験はないが、出演依頼を快諾した。先月下旬、ソフトボールが東京五輪の追加種目の最終候補8競技の中に残ったことが発表された。上野は「このタイミングで、アイドルの方々のドラマでソフトボールを取り上げてもらえるというのは、私たちにとってもすごく意味があること。本当にうれしいです」と話す。山本も「若い方々にソフトボールを知ってもらえる、ありがたいチャンスだと思います」と感謝を口にした。五輪競技復活を目指す立場として、心強い援軍を得た様子だった。

 直接指導も受けた西野と高山の「バッテリー」も、ソフトボール復活を願ってやまない。高山は「金メダルだった北京五輪も見ていました。本物と共演できてうれしい。私たちも収録を通じてソフトボールの楽しさ、良さが分かってきたので、ドラマを見た方々にも伝えたい」。西野も「ぜひ五輪に復活してほしいです」。

 追加種目は、絞り込まれた候補を9月末までに国際オリンピック委員会に提案し、来年8月に正式決定する。【横山慧】

 ◆「初森(はつもり)ベマーズ」 さびれた下町が舞台。再開発で取り壊される公園を守るため、少女たちが団結。開発を進める地上げ屋の娘からソフトボール対決を持ち掛けられ、チームを結成。仲間とケンカもしながら特訓していく。汗と涙、魔球も飛び出すスポ根ドラマ。乃木坂46メンバーが総出演。チーム名「初森ベマーズ」は76年の米映画「がんばれ!ベアーズ」に習い「ベアーズ」としたが、ユニホーム注文時に「ア」を「マ」に見間違われたという設定。