SKE48とSNH48を兼任する宮沢佐江(25)が、グループを卒業することが16日、分かった。フジテレビ系の生音楽番組「FNS歌謡祭」(午後7時)で電撃発表した。大島優子(27)らとともにAKB48の2期生として、グループを国民的人気に押し上げる一翼を担ってきた。卒業後は女優として活動していく。

 またレジェンドメンバーが1人、グループから羽ばたく。AKB48グループでも指折りの功労者だった宮沢も、生放送で卒業を発表した。「このようなすてきな舞台ですみません。私、宮沢佐江はSKE48、SNH48、AKB48グループを卒業します。残りの活動も元気いっぱい頑張りますのでよろしくお願いします」。そのまま思いの限りを込め「オキドキ」を力いっぱい踊った。今年に入ってから「私もたかみな(高橋みなみ)と同じく自分のデビュー10年を目安に区切りをつけたい」と考えていた。

 個性派だった。165センチのスリムなスタイルにボーイッシュなショートヘアで明朗快活。AKBの中では珍しく女性ファンの人気を集めた。AKBのメジャーデビュー曲「会いたかった」から長らく選抜入りし続けた。AKB48選抜総選挙でも全7回で選抜メンバー(トップ16)入り。12年には自ら、上海に発足したSNH48への移籍を決意。昨年2月からSKE48も兼任、チームSリーダーとして後輩たちの育成にも努めてきた。元エースの大島が「佐江ちゃんは年下だけど歌、ダンス、リーダーシップも人格も全てにおいて最も尊敬する心の友」と絶大な信頼を寄せるほどだった。

 ソロ女優として素質を開花させている。6年前から演劇の舞台に立ち14年には岸谷五朗と寺脇康文が主宰の演劇ユニット「地球ゴージャス」の舞台「クザリアーナの翼」に出演。来年8月にはミュージカルの聖地、東京・帝国劇場での「王家の紋章」でヒロインを務める。ミュージカル界一の歌唱力と名高い女優新妻聖子(35)とのダブルキャスト。期待値が高い証拠だ。

 「最近、このグループを出たときのことを考えて、楽しいな、ワクワクしてきたなと思えたので、そろそろ自分で足を踏み出すときが来たのかと思いました」と説明した。「たくさんのアーティストさんが出演なさり、ファンのみなさんもご覧になる中で、私がこんな時間を使わせていただいて本当に申し訳ございませんでした」。最後まで周囲に気を配る宮沢らしいサプライズ発表だった。

 ◆宮沢佐江(みやざわ・さえ)1990年(平2)8月13日、東京生まれ。06年にAKB48の2期生オーディションに合格し、同年4月にチームKから公演デビューした。同年の「会いたかった」など、シングル選抜の常連として活躍。12年に上海のSNH48移籍が発表され、14年からはSKE48との兼任に。選抜総選挙は第1回から14→9→11→11→10→12→8位で、すべて選抜入り。ユニット「DiVA」としても活動した。165センチ。血液型O。