映画「BOX

 袴田事件

 命とは」(高橋伴明監督、公開中)のトークイベントが14日、都内の劇場で行われ、ジャーナリスト大谷昭宏氏(64)が冤罪(えんざい)事件をテーマに語った。一家4人を殺害した袴田事件(再審請求中)の犯人として44年を経た今も獄中にある元ボクサー袴田巌死刑囚をテーマにした作品。大谷氏は「よくぞこの映画が作られた。袴田さんに届けたい」と話した。

 48通の調書のうちわずか1通だけが採用され死刑判決が下った袴田事件について、大谷氏は「むちゃくちゃなでっちあげ」と指摘。自ら検証取材も行っており「冤罪かどうかのカンが外れたら、ジャーナリストは仕事を辞めるべき。事件と心中するつもりでやっている」。足利事件など数々の冤罪事件にも触れ「日本は何でもない人間を確実に死刑にできる国家。独裁国家にも劣る制度とシステムを持っている」と話した。