【プチョン(韓国)20日=瀬津真也】小栗旬(27)が、初の監督映画「シュアリー・サムデイ」(公開中)で、アジアの映画大国・韓国から大喝采を浴びた。プチョン国際ファンタスティック映画祭に招待された小栗は、19日夜の上映会に出席。観客から爆笑と拍手の渦が起き、ヒット映画「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督(51)らの表敬訪問を受けた。20日も人気俳優キム・ヒョンジュン(24)らが駆けつけるなど「小栗作品」への注目度の高さをうかがわせた。

 舞台あいさつの出番を待つ小栗は、照れくさそうにほほ笑んだ。映画を見る韓国の観客から笑いが起こった。大きなリアクションが何度も起こる。「すげぇ~、日本でもこんなに笑ってくれてないよ。純粋に映画楽しんでくれてるんだなぁ…」。エンディング曲が流れると、思わず足でリズムを刻む。うれしさが、体からにじみ出ていた。

 19日のソウル金浦空港到着時から、小栗フィーバーが始まった。韓国入りを公表していなかったにもかかわらず、うわさだけで約1200人のファンが大挙し「オグリク~ン、アイシテル~」と、波のように押し寄せてきた。上映会の観客も大歓声と拍手で迎えてくれた。

 興味を示したのはファンだけではない。19日にはクァク・ジェヨン監督と、映画「息もできない」で今年の各映画賞を総なめ中の、ヤン・イクチュン監督(35)の訪問を受けた。小栗は両者と会食。特に敬愛するヤン監督とは、居酒屋で午前4時まで、マッコリ片手に映画談義に花を咲かせた。ヤン監督は「小栗の映画はエネルギーにあふれていた。僕も20代でこんな青春映画を作りたかったよ」と絶賛した。20日には、中央日報など地元有力紙8社の取材を受け、各媒体で大々的に報道された。

 また、韓国滞在中の小栗には、屈強な専用SP2人が24時間密着するなど、終始VIP待遇でもてなされた。映画の韓国公開の話と、公式ファンクラブ開設のリクエストも上がっている。小栗が今回、映画監督として韓国初上陸を果たした意味は大きい。これまでのアイドル的人気に加えて、アジアの映画大国から、“映画人”として確かな評価を獲得した。「韓国映画界のパワーは日本でも強く感じる。僕らもそんな作品を作っていきたい」と、今後につながる刺激を受けていた。