先月22日に行われた第87回アカデミー賞授賞式で、「6才のボクが、大人になるまで。」で助演女優賞に輝いたパトリシア・アークエットが、ギャラの男女平等を訴えるスピーチをして会場は拍手喝さいに包まれました。同僚のメリル・ストリープやジェニファー・ロペスが、大興奮して大きな拍手を送る様子が中継されたので印象に残っている方も多いのでは。

 実際にハリウッドでは男女のギャラに格差があり、女優の方が男優に比べてギャラが低いと言われています。12年間にわたって同じ役を演じて高い評価を受けたアークエット本人も、本作で受け取ったギャラはベビーシッターとドッグウオーカー代にすべて消えてしまったと明かしていましたが、オスカーを受賞すると倍増すると言われるギャラも女優の場合はさほど影響がないとも言われています。実際に「世界にひとつのプレイブック」(12年)でオスカーに輝いているジェニファー・ローレンスは、翌年出演した「アメリカン・ハッスル」では共演したクリスチャン・ベールやブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナーよりも受け取るロイヤリティーのパーセンテージが低かったことが暴露されています。

 ということで、ギャラの格差はいったいどのくらいあるの? という質問にお答えするため、米経済誌フォーブスが毎年発表しているハリウッドの長者番付を参考に、男女のギャラを比較してみました。

★2014年度の長者番付トップ5

<1>ロバート・ダウニー・Jr 7500万ドル

 これは「アイアンマン3」(13年)のギャラが大きかったからと言われていますが、「アベンジャーズ」(12年)でも5000万ドルのギャラを受け取っている他、今後マーベル・コミック原作の映画化となる続編2本でアイアンマン役を続投する場合、ハリウッド初の1億ドルのギャラを獲得すると伝えられています。

<2>ドウェイン・ジョンソン 5200万ドル

 「ワイルド・スピード」シリーズなどで知られるジョンソンは、1本のギャラの値段はそこまで高額ではありませんが、出演本数が多いことで上位にランキング。13年度は「ワイルド・スピード EURO MISSION」「G.I.ジョー バック2リベンジ」「オーバードライヴ」などのヒット作に立て続けに出演して、1位に輝いています。

<3>サンドラ・ブロック 5100万ドル

 「ゼロ・グラビティ」で2000万ドルの出演料+興行収入からのロイヤリティーをもらう契約を結び、同作の大ヒットで多額のボーナスを手にしたことが快挙につながりました。女優として唯一のトップ10入り。

<4>ブラッドリー・クーパー 4600万ドル

 「アメリカン・ハッスル」では、ローレンスの7%のロイヤリティーに対し、9%を受け取っていたと言われています。「ハングオーバー」、「アメリカン・ハッスル」のヒットが大きな要因に。

<5>レオナルド・ディカプリオ 3900万ドル

 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13年)では、ギャラの大幅カットに同意したと言われているディカプリオですが、興行収入からのロイヤリティーがたくさんあることで知られる俳優の一人。俳優業を休業すると言われていますが、それも稼ぎがあるからできること。「インセプション」(10年)ではギャラ+ロイヤリティーで5900万ドルを稼いだと言われています。

 以上トップ5に女優でランクインしたのはブロックのみ。3100万ドルで女優2位のローレンスでさえ、トップ10に入ることはできませんでした。男優はトップ10全員が3000万ドル以上だったのに比べ、女優は10人中6人が1000万ドル台の低さ。男優トップ10の合計は、女優トップ10の合計のおよそ倍という結果からもわかるように、男女で大きな格差があるのは確かなようです。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)