まるでゲームのように戦地から遠く離れた平和な場所で無人戦闘機「ドローン」を操り、空爆する「現代の戦争」の知られざる真実を描いた「ドローン・オブ・ウォー」が、10月1日に日本公開されることが決まりました。本作は「6才のボクが、大人になるまで。」で今年のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたイーサン・ホークが主演。映画「ガタカ」(98年)以来17年ぶりにアンドリュー・ニコス監督とタッグを組み、2001年の同時多発テロ以降、米軍が対テロ戦争の兵器として使用しているドローンの恐るべき実態に迫る問題作です。本作は安全保障関連法案で揺れる日本の人たちにとっても、人ごとでは済まされない現実が描かれています。
ハリウッドで製作される戦争映画と言えば、戦地が舞台になっていることがほとんどですが、本作の舞台は戦地から1万キロ以上も離れたカジノの街ラスベガス。戦地の様子はドローンの映像以外は登場しない、異色の戦争映画です。ホーク演じる空軍のイーガン少佐の任務は、ラスベガスの米軍基地に設置されたコンテナの中でリモコンでドローンを遠隔操作してクリックひとつでミサイルを発射させて空爆すること。それは現実の戦争と言うより、まるでビデオゲーム感覚。危険とは無縁の場所から一方的に攻撃し、時にはテロリストとは無縁の一般人が巻き添えになることにジレンマを抱えながら現実感が欠如した任務を終えると、ネオンが光り輝くラスベガスの歓楽街を抜けて家族の待つ自宅へと帰る毎日。繰り返されるそんな日常の中で、少しずつ心を病んでいく姿がリアルに描かれています。
遠く離れた場所からでも戦争ができるという現実や、ビデオゲームのようにテロリストを殺す軍の方針に、ホーク演じる少佐が一石を投じた本作は、日本でも何かと話題になることでしょう。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)




