米大統領選の共和党候補選で指名獲得を確実にしている不動産王のドナルド・トランプ氏は、数々の過激な発言でハリソン・フォードやジョニー・デップ、ジョージ・クルーニーら多くのハリウッドスターから痛烈な批判を受けていますが、一方でクリント・イーストウッドやジョン・ヴォイト、チャーリー・シーンらから支持を受けるなど、ハリウッドを巻き込む大混乱となっています。

 トランプ氏を巡っては、ロックバンドのローリング・ストーンズやエアロスミスら著名アーティストたちが選挙戦で自分たちの楽曲を使用しないよう要請する騒動になっている一方で、ロックミュージシャンのキッド・ロックは「彼の選挙戦はとても愉快。ビジネスマンにビジネスとして国を運営させよう」と語るなど、音楽業界でも意見は真っ二つ。スポーツ界からはボクシング元世界王者のマイク・タイソンや元NBAスターのデニス・ロッドマン、プロレスラーのハルク・ホーガンらの支持を得るなど、セレブたちも来月18日に行われる党大会を前に反対派、支持派共にシ烈なコメント合戦を繰り広げています。

 11月に予定されている大統領選を前に、民主党の指名争いを確実にしたと伝えられるヒラリー・クリントン前国務長官と早くもシ烈な選挙戦が始まっていますが、まずは反トランプ派のコメントの一部を紹介します。「狂っている。外国人嫌いのファシズム主義者」(ジョージ・クルーニー)「まるでガキだ。全てを自分の物だと思い込んでいるようだ」(ジョニー・デップ)「彼が大統領になったらこの世も終わり」(ジェニファー・ローレンス)「彼が大統領になったらアメリカを脱出するわ」(マイリー・サイラス)「トランプが大統領になることはアメリカ国民にとって悪夢」(リチャード・ギア)「彼のスピーチにはむしずが走る」(マット・デイモン)などなど…手厳しい批判が相次いでいます。

 一方、トランプ氏を支持する面々を見てみましょう。アンジェリーナ・ジョリーの実父でオスカー俳優のヴォイトは、「ベストだとは言えないが気に入っている。問題に飛び込んで国を再建し、かつてのアメリカに引き戻してくれる人が必要」とコメント。ロッドマンは、「私たちは別の政治家はいらない。必要なのはトランプ氏のようなビジネスマンだ」と語り、タイソンは「トランプ氏に会った時、彼は握手をして私の家族を尊重してくれた。彼は大統領になるべきだ」とコメント。また、ホーガンは「副大統領になりたい」とラブコールを送っています。

 一般有権者はというと、どちらにも投票したくないという人が日に日に増えており、世論調査でも両氏共に嫌悪感を示す人が多く、歴史上最も不人気な候補対決とやゆされています。どちらが当選してもアメリカの未来は末期的な状況だと危惧する人も多く、米国内だけでなく世界中が11月8日に行われる選挙の行方に注目しています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)