◆ジャージー・ボーイズ(米)
何じゃ、このラスト20分の盛り上がりは!? トニー賞を受賞したミュージカルがベースの映画と聞いて、「最も縁遠いわ」と期待せんかった分、裏切られた。ボーイズ・タウン・ギャングが82年にカバーした「君の瞳に恋してる」の原曲がこんな切ないとは…。
ビートルズの前、最も人気のあったとされるロックバンド「フォー・シーズンズ」。ニュージャージー州の田舎町で生まれたイタリア系の男たち、メンバー4人の人生を描いてる。
ありがちと言えばありがちなヒューマンストーリー。目新しさもない。ところがや、マフィアのボスに気に入られ、犯罪もして、成り上がって。そんな波瀾(はらん)万丈の人生を「まあいろいろあったけど、捨てたもんやないで」と持っていく。夢、出会い、成功、裏切りのエピソードを丁寧に紡いだ2時間が、ラストにスッパーンとつながる。語り、歌、ダンスのフィナーレが、めちゃくちゃかっこええ。クリント・イーストウッド監督って、やっぱりすごいわ。
序盤に主人公フランキー・ヴァリを見て「なだぎ武がパロッたらおもろいのに」とニヤけた私が、最後にグスッとなった1本です。【加藤裕一】
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