◆想いのこし(日)

 映画「ツナグ」ドラマ「JIN-仁-」の平川雄一朗監督で「泣かせにきやがったな」と身構えたけど、やられた。簡単に泣いた。感動の押し売りやない。映画全体はコメディー風でもあり、軽い。ギャップにぐっときた。

 金と女にしか興味のないガジロウ(岡田将生)が車にはねられ、車に乗っとったユウコ(広末涼子)ルカ(木南晴夏)ケイ(松井愛莉)ジョニー(鹿賀丈史)が死ぬ。ポールダンサー3人とナイトクラブの従業員。ガジロウには死んだ4人が見えるようになり、彼女たちの残した金と引き換えに願いをかなえていく-。

 どうしようもないクズのくせに、人の根っこにある大事な部分は残しとる。そんなガジロウを、岡田が上手に演じた。チャラさとピュアさの切り替え。“笑える霊媒師(厳密には違う)”ぶりに、あの「ゴースト/ニューヨークの幻」のウーピー・ゴールドバーグがかぶる。ほめ過ぎか?

 鹿賀もええ。生真面目で優しくて不器用な男を、話の流れに不可欠な存在としてさらっと演じる。役者として、かっこええよなあ。

 番外的かつ、超重要な見せ場は広末ちゃん! ポールダンス、最高です!【加藤裕一】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)