宗教団体「幸福の科学」に出家し、芸能界引退の意向を示した女優清水富美加さん(22)のコメントです。3日に放送されたテレビ東京深夜ドラマ「バイプレイヤーズ」(金曜深夜0時12分)での彼女が生き生きと魅力的だっただけに、「ギリギリの状態でした」という今回の告白とのギャップに驚きました。

 「バイプレイヤーズ」は、俳優界を代表する名脇役6人(遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研)がそれぞれ本人役で出演する話題作。毎回、さまざまなジャンルの劇中劇が登場し、豪華俳優陣が本人役でゲスト出演するのも見どころになっています。清水さんは4話「バイプレイヤーとアクション」に、女優清水富美加役で登場。架空の特撮映画「サムライ嬢」の主演として、師匠役の寺島進、悪の総統ドクターゲルゲ役の田口トモロヲと息の合ったアクションを繰り広げていました。

 主に撮影の舞台裏が描かれ、寺島さん、田口さんら現場のすべての人に「富美加ちゃん」と信頼されて愛される様子は、実際のご本人もこんな感じなんだろうなと思わせるほのぼのしたものでした。「もぉー、私のせいで皆さんにご迷惑かけてごめんなさい」「いーのいーの、主役なんだからバーンとやればいいんだよ」「寺島さん、優しいっす!」「パッションでいけ」「おす!」みたいなやりとりが本当にキュートで、ベテラン脇役から何かを学んで主演女優として成長する姿を画面いっぱいに見せてくれました。

 実際、アクションもうまいんですよね。師匠もろともゲルゲにとどめを刺さなければならないクライマックスで、バサッと袈裟懸けにする殺陣のかっこいいこと。カクテルライトの中、「サムライ嬢、成敗完了!」というキメポーズもキレッキレで、スピンオフで本当に1本作ってくれないかと思うほどのヒロインっぷりでした。

 「ペテロの葬列」(14年)でのバスジャック被害者役、「コウノドリ」(15年)での未受診妊婦の闇、「家政夫のミタゾノ」(16年)でのコミカルな相棒家政婦役なども印象的で、何でも演じられる女優という印象。「宗教」「出家」などのキーワードなどみじんも感じさせなかった女優力に、あ然とするばかりです。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)