東北自動車道・羽生サービスエリア(SA)にオープンする「鬼平江戸処」では、9店の飲食店と土産物店が軒を連ねる。「鬼平犯科帳」にも登場する江戸グルメを楽しめる。

 【五鉄(ごてつ)】

 鶏料理の「五鉄」は、「鬼平」で重要な舞台となっている軍鶏(シャモ)鍋店。人形町で1760年から続く老舗「玉ひで」がモデルとされ、同店が提供している。看板メニューの「鬼平江戸処膳

 すき焼き風」(1800円)は、鬼平こと長谷川平蔵が舌鼓を打った「五鉄の軍鶏鍋」をイメージした定食。シャモ肉と鶏肉のモツ(きんかん、ハツ、レバー、砂肝)に、ほどよい甘さの割り下がしみている。具材はほかにゴボウ、しらたき、焼き豆腐、卵など。店頭でシャモをぐつぐつ煮ている光景も楽しい。

 【本所さなだや】平蔵がひいきにした店で、「鬼平犯科帳」で最も長い文章で描かれているそば店。作者池波正太郎氏が愛した「神田まつや」が監修している。おすすめは「天南そば」(950円)。プリプリのクルマエビの天ぷらと、短冊切りにしたネギ、風味のゆずを添えた上品な味。本がつおが香るだしのおいしさに癒やされる1杯だ。

 【忠八(ちゅうはち)】「鬼平」に登場する辻売りのうなぎ。本所深川の町人に親しまれ、評判の味だったと描かれている。1897年創業の川魚卸「鯉平」が素材を厳選し、腕をふるっている。店頭で職人が炭火で手焼きする光景も特徴。うな重(1980円)は、ふっくらと上品な味わい。たれの甘さがちょうどよく、最後まおいしくいただける。

 【船橋屋】明治初期、江戸甘いもの屋番付の横綱に認定された1805年創業の老舗。くず餅の名店として知られ、小麦でんぷんのもちもちとした食感ときな粉、黒蜜の三位一体が幸せな和スイーツだ。