俳優伊勢谷友介(39)がNHK大河ドラマ「花燃ゆ」(日曜午後8時)で演じた幕末の学者・吉田松陰主宰の松下村塾を現代に復活させる。代表を務める一般社団法人リバースプロジェクトの新企画として、大学生と大学院生50人を対象に6日から7月11日まで都内で開講。受講料は無料で、すでに募集は終了している。伊勢谷らが講師になり、社会をけん引する志を持つ人材輩出を目指す。

 松下村塾は松陰と学生が社会問題について活発に議論し、「知っていて実行しないのは知らないのと同じ」を意味する言葉「知行合一」(ちこうごういつ)の精神で、解決へ向け実行した私塾。それを参考に(1)自身に直面した大問題や地球環境を悪化に導いた人間のネガティブな部分を改善しようという思い=志の意味を伝え(2)問題を提示し合い、解決への行動に向かうカリキュラムを構成。「最終的に起業に向かう大学生が出てほしい」と期待する。

 伊勢谷は02年に東京芸大大学院修了後、自然環境の悪化などを受け、新たな生活スタイルの創造を含めた人間の転換期だと痛感。「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか」という命題の元、09年にリバース-を設立。教育の改善も学生時代からのテーマで、吉田松陰に強い関心を持ち演じたいと思ってきた。

 その矢先に「花燃ゆ」のオファーが来た。視聴率低迷がニュースになっている件について聞くと、意に介さず「松陰を演じるのは、松下村塾をやるチャンスだと思った。僕にとってタイミングはバッチリ。松下村塾が持つ実践を伴う学びの場は今の学校にない。面白いと思うからやる」と意気込んだ。【村上幸将】