古代エジプトを舞台に長期連載中の少女漫画「王家の紋章」が来年8月に東京・帝国劇場でミュージカル化されることが13日、分かった。古代エジプトの若き王役で浦井健治(33)が主演し、考古学を学ぶヒロインは帝劇初登場のSNH48/SKE48宮沢佐江(24)と新妻聖子(34)のダブルキャスト。音楽は「エリザベート」のシルヴェスター・リーヴァイ氏で、来年の超話題作となりそうだ。

 「王家の紋章」は1976年から連載中の人気少女漫画。考古学を学ぶ、明るく好奇心旺盛なキャロルが古代エジプトにタイムスリップし、若き王メンフィスと恋におち、エジプトと敵対するヒッタイト国王子やキャロル暗殺を狙う王の異母姉が絡む大河ロマン。累計4000万部を売り上げているが、これまで映像化、アニメ化はされておらず、今回が初舞台化となる。

 音楽は「エリザベート」「モーツァルト!」を手掛けた大御所シルヴェスター・リーヴァイ氏、演出は宝塚歌劇団出身の荻田浩一氏が担当する。ミュージカル界のプリンスで帝劇初主演の浦井、AKB48グループのメンバーで帝劇初出演となる宮沢、実力派の新妻のほか、ヒッタイト国王子は宮野真守と平方元基のダブルキャスト、異母姉に浜田めぐみ、エジプト宰相に山口祐一郎、キャロルの兄に伊礼彼方が決まっている。

 浦井が「メンフィスを演じる喜びと同時に責任を感じています」と言えば、AKBのムードメーカーで、前向きなキャラクターがキャロル役にぴったりと抜てきされた宮沢も「驚きを上回るくらい、作品に出演させていただけることも帝国劇場に立たせていただけること、すべてがうれしくて、すぐ家族に報告しました。夢のようです」と喜ぶ。新妻も「原作の大ファンで、全巻持っています。お話をうかがった時は何役かを聞く前に『ミュージカル化? えー!』と大興奮しました」。

 浦井、新妻ともにリーヴァイ作品を経験済みだが、初参加の宮沢が歌うビデオを見て、リーヴァイ氏も信頼を寄せている。リーヴァイ氏も「原作を読んで魅了された。メーンキャストそれぞれに、その人らしい特徴の音楽を持たせていく」と意欲を見せており、超大作舞台が期待できそうだ。

 ◆「王家の紋章」 細川智栄子あんど芙~みん氏の原作で、1976年に月刊プリンセスで連載が始まった。来年に連載開始40周年を迎え、今月16日にコミックス60巻が発売される。親子3代にわたるファンも多く、後輩の少女漫画家に影響を与えた。初舞台化に細川氏も「ミュージカルの夢の中で陶酔できる時を期待して、楽しみに待っています」。