フジテレビの人気アニメ「サザエさん」(日曜午後6時半)の磯野フネ役が、麻生美代子(89)から寺内よりえ(62)にバトンタッチされることになり18日、同局が発表した。10月4日の放送から交代する。

 麻生の年齢を考慮し、制作スタッフで相談した結果という。麻生は1969年10月5日の第1回放送から46年間フネ役を務めてきた。番組が47年目に突入するタイミングでのバトンタッチとなった。

 寺内は劇団昴所属。舞台をはじめ、アニメ、洋画吹き替えなどで活躍している。すでにアフレコも行っており、緊張の様子ながらも、収録は終始明るい雰囲気だったという。野崎理プロデューサーは「オーディションにオーディションを重ねた結果、声の質やお芝居を拝見して、新たな『日本のお母さん』を演じてもらえるのは寺内さんがぴったりと思い、2代目フネさんをお願いすることになりました」と経緯を説明している。

 寺内は「真摯(しんし)な気持ちで受け止めております。国民の皆さまに愛され、46年の歴史あるこの番組の2代目フネとして、麻生美代子さんの築かれた日本の母の姿を大切に受け継いでいけたら、と身の引き締まる思いでいっぱいです」。また「今後も皆さまに愛していただけるよう、精いっぱい務めさせていただきます。新米フネが、しっかりと出帆していけますように、どうか温かく見守ってください」とコメントしている。

 野崎プロデューサーは「放送開始から丸46年ずっとフネさんを演じ、日本の古き良きお母さん像を作ってくださった麻生さんに深くお礼申し上げます」とし「寺内さんには、フレッシュに気持ちでまったく新たなフネさんを演じていただければと思っています」と期待を寄せている。

 麻生の演じるフネは、今月20日、27日の残り2回となる。