10年に死去した劇作家つかこうへいさんの代表的な舞台「熱海殺人事件」が8日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで初日を迎えるのを前に、風間杜夫(66)平田満(62)らが取材に応じた。

 2人が同作に出演するのは、82年以来。部長刑事の木村伝兵衛を演じる風間は「僕は40歳ぐらいのつもり。相当サバ読んでます」、新米刑事の熊田留吉役の平田も「2人で良かった。1人だったら浮いてると思う」と、お互い自虐を込めて33年ぶりの出演を喜んだ。

 舞台にはつかさんの愛娘で、元宝塚の女優愛原実花(29)が出演する。父の作品は小さいころから見ていたが、出演は初めて。「命懸けで頑張らなくちゃいけないなと思う。甘えは許されないという、強い思いで稽古を始めた」と、父譲りの気合で舞台に臨むことを誓った。

 平田は愛原との共演は初めて。「生まれて間もないころは知っていますけど、その後の成長は遠ざけられて、遠くから見守ってました」と話すと、愛原も苦笑いしていた。朗読劇で愛原と共演歴のある風間は「いろんな人に『やりたい』と声を掛けていた。まさかお嬢さんとできるとは」と、つかさんの忘れ形見との再会に感激していた。

 つか作品に初出演する中尾明慶(27)は、頭を丸刈りにして臨んでいる。「それるものなら、どこでもそります。つかさんが生きていたら、『お前、もう帰れ』と言われるかも。必死に食らい付いていきたい」と意気込んでいた。