映画「さらば あぶない刑事」(村川透監督、30日公開)の完成披露試写会が12日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われた。

 主演の舘ひろし(65)柴田恭兵(64)をはじめ、日本テレビ系で86年に放送されたドラマシリーズから出演を続けるキャスト陣が、リムジン1台、ベンツ4台に便乗し、全長50メートルのレッドカーペットに乗り付けると、集まった約1000人のファンが大歓声で出迎えた。

 舘と柴田、浅野温子(54)と仲村トオル(50)の4人は、時には1度、歩いた道を引き返してファンと握手を繰り返した。

 舘は「みなさん、待っていてくれたんだという気がいたしました。寒い中、心から感謝申し上げたい」と1000人のファンに感謝した。

 柴田は「僕はすごい温かい拍手に囲まれて、久しぶりに舞台に立っている気がした」と感激した。そして「この年でやれて、舘さんはせりふを言えたし、僕も走れたし、本当に楽しかった」と言ってファンを笑わせた。

 浅野は、舘から劇中の演技について「原点に戻って『あぶ刑事』ができた気がしたが、オンコ(浅野)のところだけ、突然ドバッと入ってきて」と言われると、舘をどついた。そして「原点って何? と思って、ユルいし、つじつまが合わなく、リアルじゃないのが『あぶ刑事』と思って、私なりに真面目にやったら、(何でもぶちこわす)ブルドーザーみたいに言って…」と愚痴った。

 それを聞いた仲村は、自身が演じた町田透の前任の捜査課長を演じた、故中条静夫さんが原点だと強調。「浅野さんと同じで、帰るべき原点を見失ったところもありましたが、中条さんがここにいましたという、課長席に残る中条さんの温かさこそ原点だと思うし、それはそこはかとなく透からにおう」と熱く語った。ところが、舘に「俺(中条さんのにおいが)全然、感じられなかった」と、あっさりダメ出しされると「自分に甘いっすかね?」と言い、苦笑した。