世界中で愛される児童小説「ハリー・ポッター」シリーズ初となる舞台版「Harry Potter and the Cursed Child(ハリー・ポッターと呪われた子供)」で、ハーマイオニー役をアフリカ系女優ノーマ・ドゥメズウェニ(47)が演じることに対し、人種差別的な発言が相次いでいることについて、原作者のJ・K・ローリングが批判のコメントを発表した。

 2010年から公開された映画「ハリー・ポッター」シリーズでは、女優エマ・ワトソンがハーマイオニーを演じているが、映画シリーズ第7弾「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(11年)から19年後を描く舞台版では黒人のドゥメズウェニが同役に抜擢されていた。

 7月30日に初演を迎えるのを前に、このほど中年になったハリー・ポッターらメインキャストの写真がお披露目され、ドゥメズウェニの起用を批判するコメントがSNSに相次いでいた。原作ではハーマイオニーの人種や肌の色には触れられていないというローリングは、「おバカな人はおバカなことをするもね。なぜそういうことを言えるのかしら。それが世の中ってものなのよね。ノーマは最高の女優だから選ばれたのに」と擁護。

 「ハーマイオニーはショックのあまり顔から色が抜けて白くなったから、白人であるべき」とファンに言われたというローリングは、「理解に苦しむわ。ハーマイオニーは黒人女性になりうる存在で、祝福しているし、感激している」とコメントしている。ドゥメズウェニの起用を巡っては、「茶色の目、縮れた髪、とても聡明。ローリングは黒人のハーマイオニ-が好きよ」と、以前もツイッターでコメントしていた。舞台版は、3児の父となり魔法省で働くハリーと息子に焦点を当てた物語になる。(ロサンゼルス=千歳香奈子)