日本のスタンダードナンバー「空に星があるように」のヒット曲で知られる歌手で俳優の荒木一郎(72)が、デビュー50周年記念コンサート(渋谷Bunkamuraオーチャードホール)を10月3日に開催することが15日、分かった。ホールコンサートは14年ぶり。ゲストに宇崎竜童、中村雅俊が駆けつける。

 荒木は1966年(昭41)に「空に星があるように」でデビュー。日本で最初の本格的シンガー・ソングライターで、同曲は同年の日本レコード大賞の新人賞を受賞した。これまでの音楽シーンにはなかった、刹那でニヒルな世界を穏やかな曲調でくるんで表現するスタイルは、独特の世界観を醸し出し、一躍スター歌手となった。歌手デビュー前は文学座に所属し、歌手と並行し俳優としても活躍。66年の映画「893愚連隊」のチンピラ役や、ドラマは「悪魔のようなあいつ」や「たとえば、愛」などに出演。個性派俳優としても存在感が際立った。

 歌手や俳優の一方で、音楽プロデューサーとして宇崎や中村のアルバムをプロデュース。映像作品の音楽を手がけるなど、幅広い活動を行ってきた。

 今回のコンサートに宇崎は「荒木さんのアノ脱力した歌声に浸れるのですね。荒木さんの歌と曲と芝居に影響を受けてきました。なかなかライブをなさらない荒木さんの歌をレコードやCDで繰り返し聴いては『ライブやってくんないかなぁ!』とボヤいておりました」。中村も「今でこそ何でも出来るマルチプレーヤーと言われる人はいますが、元祖と言えばこの方を除いては誰もいないと私は声を大にして言いたいです。あの時代、荒木さんの登場は衝撃的で、随分刺激を受け、そして追随しました」とコメントしている。