俳優石坂浩二(75)が、来年春にテレビ朝日系連続ドラマ「やすらぎの郷(さと)」で、02年のTBS系「水戸黄門」以来15年ぶりに連続ドラマに主演することが29日、発表された。テレビ朝日が中高年の視聴者向けに新しく創設する帯ドラマ枠で、放送時間は現在調整中。

 倉本聡氏(81)のオリジナル脚本で2クール(6カ月)にわたって放送される。テレビ人専用の老人ホームが舞台で、石坂はシナリオライター役。全盛期の映画、テレビ界を支えた俳優、作家、ミュージシャン、アーティストたちが繰り広げる人間喜劇。往年の大女優役で石坂の元妻の浅丘ルリ子をはじめ、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、野際陽子、八千草薫らの女優陣が出演する。他に藤竜也、ミッキー・カーチス、山本圭ら。

 石坂は「初めてのカラーテレビ、初めてのVTR…テレビの歴史のいろいろな初めてに参加して来ましたが、テレビ朝日の初めての挑戦に参加できることがうれしい。いただいた脚本から倉本先生が、今までどんな気持ちで、思いで、仕事に向き合ってきたかが、本当によく感じることが出来ます。そんな大切な思いを壊すことのないように、大切に演じていきたい」。同世代の役者陣との共演には「懐かしいとかそういうことだけでなく、お互いに芝居が出来る幸せを感じられたらいいなと思っています」と話している。

 自らがモデルとも言えるシナリオライターを主役に執筆する倉本氏は「ゴールデンタイムというものが若者たちのためにあるのなら、年配者や大人たちが安心し、かつ見やすい時間帯に、シルバータイムともいうべき彼らのためのドラマ枠があってしかるべきではないのか。そんな思いから構想を立てました。暗い話には絶対にしたくない。明るいこと。しみじみとしていること。悲しいこと。そして、あくまで笑えること。『人生は、クローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である』(チャールズ・チャプリン)。そんなドラマを作りたいと思います」と話している。