フリーアナウンサーの古舘伊知郎(61)が、09年に亡くなったミュージシャン忌野清志郎さんの覆面バンドとされる「ザ・タイマーズ」がテレビ生放送中に起こした伝説の“事件”を振り返った。

 古舘アナは18日放送のラジオ番組「古舘伊知郎のオールナイトニッポン」で、89年に生放送された自身が司会を務めるフジテレビの音楽番組「ヒットスタジオR&N」で、タイマーズがいわゆる“放送禁止用語”を連呼した騒動を振り返った。

 タイマーズはリハーサルの段階で、本番に披露する予定の楽曲を、歌詞の一部をなぜか「古舘伊知郎」に替えて演奏していたそうで、すぐに古舘アナは「明らかにダミー。本番用の言葉は、今ウケなくなくなっちゃったらイヤだから、ダミーで『古舘伊知郎』っておいて、本番そこを差し替えるんだな」と、ピンときたという。「ちょっと不安になったから、清志郎さんの楽屋に行って、『“古舘伊知郎”がダミーっていうのは百も承知。だから変なこと言わないでくださいね、生放送だから。司会の双肩にかかっちゃうんだから、責任』って」とくぎを刺し、清志郎さん“似”のボーカル、ゼリーからも「大丈夫、変なことにはならない」と言われたのだそうだ。

 しかしいざ本番になると、タイマーズは自身の楽曲を放送禁止にした某FM局へ抗議し、下品な言葉を連呼した。

 古舘アナはその光景に「気持ちいいだろうなぁとは思った。ここまで生放送で電波つかってやれば。キレキレの清志郎」とファン心理で語った。ほかのミュージシャンら出演者たちも「めちゃウケて」いたという。しかし司会である自身としては、おわびと訂正をしなければいけない。「定番のマニュアルの言葉でね、なんか言うのもやぼじゃない?」と思いながらも、口をついて出てきたのはマニュアル通りの言葉。「自分でね、半分以上、むなしかったんですよ。もうちょっと気の利いた。『とんでもない歌になりましたね。だまされましたね、ごめんなさい』みたいなので良いんだけど、もうガチガチになっちゃって…」と当時を回顧した。