俳優内野聖陽(45)が11日(日本時間12日)、ドイツで開催中のベルリン映画祭パノラマ部門に出品された映画「家路」(久保田直監督、3月1日公開)ワールドプレミアに、久保田監督とともに出席した。

 ドイツを初めて訪れた内野は「ドイツは初めてですが、こんなに映画が好きな人たちの前に映画を持ってくることが出来て非常にうれしいです。福島に住む人を演じることで、今回ほどフィクションを作り上げる俳優としてプレッシャーを感じる作品はなかったが、観客の方の反応に触れて、自分たちが演じた日本人の心はこちらのお客さんにも確実に伝わっているな、と思いました」と感激した。

 また劇映画デビュー作でベルリン映画祭に参加した久保田監督は、東日本大震災後の福島を描いた作品に対する、観客の反応の大きさに感慨を口にした。「ドキュメンタリーでは描けないことをフィクションで描きたいと思って作った最初の作品が、ベルリン映画祭で初めてお客さんに見てもらえるということになり、非常に光栄です。海外映画祭の観客の目は厳しいと聞いていたが、好意的に受け止めていただいたことに感激しています」。

 また上映後、作品を見ていた香港の配給会社関係者が監督・内野さんに駆け寄って感激の言葉をかけ、その場で香港公開が決定した。