政府27日、は09年度文化勲章を古典落語の桂米朝(83)ら5氏に贈ることを決めた。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で行われる。

 落語界初の文化勲章に、桂米朝(83)は「夢にも思わなんだ」と、戸惑いの表情を浮かべた。1947年、4代目米団治に入門し、以来60年以上にわたって上方落語の復興に力を注いできた。埋もれていた噺(はなし)を発掘し、自ら高座にかけるばかりでなく、多数の著書に残すなど、現在の落語人気を支えた功労者だ。「落語以外は何も知らんのです。大変なことをやったとは、とても思えませんが、一筋でやってきたのがよかったのか…。ありがたいことです」。

 96年の重要無形文化財保持者(人間国宝)認定、02年の文化功労者顕彰につづく朗報。今年になって脳梗塞(こうそく)などで入院が続いたが、唯一無二の存在感は健在だ。受勲の知らせで多数のカメラマンに囲まれ、フラッシュを浴びると「犯人みたいやな」とポツリ。随所に米朝流ユーモアをちりばめていた。

 [2009年10月28日9時23分

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