歌手新沼謙治(55)の妻で、バドミントン女子シングルスで世界一に輝いた名選手だった新沼博江(にいぬま・ひろえ、旧姓湯木=ゆき)さんが7日午後、がんのため東京都内の病院で死去した。62歳。近親者で密葬を行う予定。

 博江さんはこの日、自宅で容体が急変して病院に救急搬送された。新沼はコンサートのため山形県内に滞在中だった。午後11時半前に新幹線で東京駅に戻り「まだ遺体と対面していないので何も言えません」と憔悴(しょうすい)しきった表情で語った。博江さんは数年来、のどのがんを患っていたが、臓器への転移もあったことから死を覚悟していたようで、新沼には「密葬にしてほしい」と“遺言”をしていたという。

 広島県出身の博江さんは、岡山・山陽女子高3年時に全国高校総体で優勝。日女体大、カワサキでプレーした。大学2年の69年全英オープン選手権を初制覇すると、74、75、77年にも優勝。その後の世界選手権創設まで、全英オープンが事実上の個人世界一決定戦で、博江さんは当時「世界の女王」と呼ばれた。02年には日本人初のバドミントン世界殿堂入りも果たした。

 新沼はバドミントンが趣味で、博江さんの大ファンだった。競技を通じて知り合った博江さんと現役引退後の86年に結婚した。デビュー35周年の今年、岩手県大船渡市の母親家族が被災。5月に都内で開催したチャリティー公演には、歌手を目指す長男翔大さん(22)も登場。その公演のチケット販売にも姉さん女房の博江さんが力を尽くしていた。