昨年11月に92歳で亡くなった女優森光子さんの記念館「森光子一座」が27日、石川・加賀市の山中温泉に開場した。森さんが民謡「山中節」を愛し、山中節を実演する「山中座」名誉座長に就任した縁から開場に至ったもので、開館式には森喜朗元首相、親友の赤木春恵、「放浪記」で共演した米倉斉加年、斎藤晴彦らが出席した。

 式では森さんが歌う山中節にのって踊りも披露され、森元首相は「山中の皆さんには、これからも家族のように森さんを見守ってほしい」とあいさつ。午後1時の開場前に約100人の行列ができ、この日だけで約500人が入場した。

 「放浪記」などの舞台や楽屋を再現したコーナーや舞台衣装、国民栄誉賞の盾など約500点の展示品を見て回った赤木は「友として誇らしい気持ち。楽屋は茶わんなどもそのままで懐かしい。たくさんの人に立ち寄っていただき、森さんを忘れないでほしい」と言えば、米倉も「森さんは家族の縁が薄かったが、山中の皆さんが家族として記念館を守り育ててくれることがうれしい」と話した。【林尚之】

 ▼森光子一座

 石川県加賀市山中本町2丁目。大人500円。年中無休。【電話】076・78・1585。