女優吉高由里子(26)が、大みそかの「第65回NHK紅白歌合戦」の紅組司会者に内定したことが1日、分かった。先月終了した連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを務め、幅広い世代の視聴者から大きな支持を受けている。関係者によると、今年の活躍を評価され、NHKの朝の顔として、1年を締めくくる紅白のステージに立つことになったという。

 近年の紅組司会者は、昨年の綾瀬はるかの前まで「梅ちゃん先生」(12年)の堀北真希、「おひさま」(11年)の井上真央、「ゲゲゲの女房」(10年)の松下奈緒と連続テレビ小説のヒロインが務めてきた。今年も、好調な視聴率を反映する形で、朝ドラのヒロインが司会を務める流れになった。今月中旬にも正式発表される。

 吉高は自由奔放な発言で注目されることが多いため、危惧する声が出ることも予想された。だが、関係者によると、朝ドラで見せた生き生きした演技で視聴者の支持を獲得し、スタッフに感謝の気持ちを持ちながら仕事をする姿勢が高く評価されたという。

 ドラマでは、波乱に満ちた人生だが、翻訳家という夢に向かって真っすぐに、ひたむきに生きる主人公花子の姿や、母親役も演じ、落ち着いた「大人の吉高」を感じさせ、視聴者の共感を呼んだ。初回から最終回までの期間平均視聴率は関東地区で22・6%(ビデオリサーチ調べ)と、過去10年の作品では最高を記録。今年の朝の顔として申し分ない活躍と判断された。

 吉高は1月に横浜市内で行われた「花子とアン」の会見で「私が紅白の司会をやったらとんでもないことになりそう」と笑っていた。一方で、共演する仲間由紀恵を横に「その時は、仲間さんと一緒にぜひともやらせていただけたらと思います」と、意欲的な姿勢を示していた。もう心の準備は整っているはずだ。

 一方、一部報道では「花子とアン」の共演者である仲間の紅組司会が有力とされたが、仲間は20日スタートのTBS系ドラマ「SAKURA」で主演を務める。関係者によると、12月中旬ごろまで収録がある見込みで、さまざまな打ち合わせが必要な紅白司会との両立は容易でないという。ただ、同関係者は、仲間がゲストや吉高をアシストする形で一緒にステージに立つ可能性もあるとした。

 ◆吉高由里子(よしたか・ゆりこ)1988年(昭63)7月22日、東京都生まれ。06年映画「紀子の食卓」で女優デビュー。08年主演映画「蛇にピアス」で日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞受賞。ドラマは09年フジテレビ系「東京

 DOGS」でヒロイン、10年日本テレビ系「美丘-君がいた日々-」で地上波の連続ドラマ初主演。158センチ。血液型O。