膨らみかけた希望は、一瞬でかき消された。わずか3分の逆転劇。北海道コンサドーレ札幌はA組首位のベガルタ仙台に1-2で敗れ、31日の最終節を前に、自力での1次リーグ突破の可能性がなくなった。「塵(ちり)も積もればという感じで、大きなダメージとなった」。先発出場したMF小野伸二(37)の言葉が、すべてを表していた。

 開始間もない前半4分、FWジュリーニョからの浮き球を、MF石井が胸でトラップし敵陣ペナルティーエリア(PA)左からゴール前へ絶妙クロス。FW上原が頭で合わせて、先制点をもぎ取った。だが、同17分に事態は一転。19歳の仙台MF佐々木に同点ゴールを決められると、その3分後に、あっさりと勝ち越しを許してしまった。小野は「前に向けるボールを後ろに運んで取られたり、意思疎通の合わないボールからカウンターを受けたり」と、相次いだミスを残念がった。

 本拠地で仙台に2位以上を確定させた四方田監督は「簡単なミスから失点し、まだまだ自分たちの力が足りなかった。短時間で逆転されたのは、もったいない」と、悔やむ。札幌が1次リーグを通過するためには、最終節柏戦での勝利が絶対条件となった。その上で、現在勝ち点9の3位磐田が、大宮相手に引き分けるか、負けた場合、プレーオフ進出となる。「振り返って反省することも大事だけど、すぐに試合は来る」と小野。辛うじて残った希望へ、結束力が試されている。【中島宙恵】