国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは7日、8月に五輪が開催されるブラジルのリオデジャネイロ州で昨年、少なくとも645人が警察官に殺害され、超法規的な「処刑」も多く含まれているとの報告書を発表した。

 同団体は、正当防衛など合法的な殺害も多いとする一方で「容疑者の殺害は解決にならない。不法な殺害行為は地元住民を警察と敵対させ、治安を悪化させることになる」と警告している。

 リオ州で過去10年に警官に殺害された人は8千人以上。1300人を超えた2007年以降減少し、13年は416人だったが、その後増加に転じた。

 同団体は現役や退職した警察官から聴取し、負傷して倒れている容疑者を同僚が殺害するのを目撃したとの証言を得た。また、殺害した相手に銃や麻薬を持たせたケースもあったという。

 こうした事件で警察官が訴追されることは少なく、10~15年に起きた3441の殺害行為のうち訴追されたのは15の事件だけという。(共同)