女子48キロ級近藤亜美(21=三井住友海上)が13年の世界女王ウランツェツェグ・ムンフバット(モンゴル)に優勢勝ちし、初の五輪で日本勢大会第1号となる銅メダルを獲得した。

 ゴールデンスコアの延長戦突入寸前の残り4秒で背負い投げ。一度はポイントなしで試合が再開されたが、有効に訂正されてメダルが決まった。その瞬間は笑顔を見せたが、試合後は金メダルを取れなかった悔しさからか、準決勝に続き大粒の涙を流した。

 「勝ったときはメダルがあるとないとでは全く違うという気持ちだったので、ホッとした。でも終わってみれば銅メダルということで、情けない気持ちでいっぱい。ムンフバット選手はいつもと顔つきが違っていたので、半端な気持ちでは勝てないと思った。実力の差を見せつけられた大会でした」。インタビューでは悔しさに目を赤くしながらも、最後は笑顔も見せた。

 ただ、時間が経つほど悔しさが込み上げた。表彰式でも唇を結び、もらった銅メダルを見ることもしなかった。表彰台でただ1人、ぎこちない笑顔しかつくれなかった。

 「より悔しくなりました。応援して下さった方に感謝の気持ちもあるんですけど、悔しい気持ちもあるので苦笑いです。すみません。(両親は喜んでいたが)銅メダルで笑ってほしくなかったです。(大会の)雰囲気は私の中では変わったところはなくて、選手みんなが死にもの狂いでくるのが、ちょっと変わったところかな。(金メダルとの距離は)まだまだ私には及ばないと分かったので、まだ4年あるのでしっかり頑張っていきたい。」。

 五輪金メダルの難しさを実感する一方、準々決勝の逆転勝ち、3位決定戦の終了間際のポイントと、あきらめない精神力も見せ、東京五輪への可能性も大いに感じさせた。早くも口にした4年後の目標へ、気持ちはすでに走り始めた。