「あっという間にシーズンの半分が終わった。今年は特に時間が過ぎるのが早い」。

 ある選手が、今季ここまでのJ1を振り返った言葉だ。連戦に次ぐ連戦。いつのまにか、第1ステージを終えて折り返している。きっと過密スケジュールがそんな印象を抱かせていると感じたのは、日本代表ハリルホジッチ監督のコメントを聞いたときだった。

 東アジア杯を戦う同監督が、敗れた初戦北朝鮮戦の翌日の練習で、日本協会大仁会長に訴えたという。練習の質や、Jの日程について、だ。同監督の肩を持つつもりはないが、今季のJ1クラブで個人やチームを高めるための練習が「練習」ではなく、試合に向けた「調整」になっていた現実はあると思う。冒頭のコメントを口にした選手は「試合の中でしか分からないことはあるけど、練習でないとできないこともある」と続ける。

 今季、中3日あるいは中2日の試合は、J1第6節(4月18日)からナビスコ杯を1試合含め第10節(5月10日)まで7連戦。さらに第12節(5月16日)から同杯3試合含め第15節(6月7日)まで再び7連戦が続いた。特に中2日の試合では、試合翌日に回復し次の試合前日に調整という繰り返し。試合で出た課題に取り組む時間が、そこにはない。

 日程を組むJリーグが、協会とも話し合いを十分にした上で、頭を抱えながら絞り出した案だということは、重々承知している。

 (1)2ステージ制にともないステージ間の中断期間。(2)リーグ戦後に行われるチャンピオンシップ。(3)クラブW杯前までの12月までにリーグ戦の日程を終えなければいけない。(4)今季は東アジア杯という大会に合わせて、この8月に中断を余儀なくされた。過密になる理由が、これだけそろっている。必然的に日程はギュッと詰め込むことになる。

 代表選手になるとこれらをこなした上で、代表選手はW杯アジア予選などの国際Aマッチが、ホームだけでなく遠いアウェーでも入ってくる。選手たちも大変だが、準備するJクラブ関係者たちも多忙極まる。アウェーでの前泊などを準備するマネジャーたち、ホーム戦を滞りなく進める運営、マッチデープログラムの印刷・発行、相手チームを分析するスカウティング担当…。準備に追われいつのまにか試合が過ぎていく。

 ハリルホジッチ監督が言っていることは、東アジア杯最下位に終わった言い訳だとは思いたくない。ただ、Jに一石を投じたい気持ちも分かるが、こういう現実もしっかりと理解してほしい。【栗田成芳】

 ◆栗田成芳(くりた・しげよし)1981年(昭56)12月24日生まれ。サッカーは愛知・熱田高-筑波大を経て、04年ドイツへ行き4部リーグでプレー。07年入社。J担当クラブは東京と甲府。昨夏のブラジル大会でW杯初取材。たまに参加する個人参加フットサルで「もしかして経験者ですか?」と言われることにも、最近慣れてきた。