日本代表のMF香川真司(21=ドルトムント)が、全権を与えられた。7日のグアテマラ戦に向け、6日は試合会場となる大阪・長居スタジアムで公式練習をこなした。中盤の左サイドで先発濃厚な香川は、実戦練習で左右のCKと、右足のFKを確認。W杯南アフリカ大会後に代表引退を表明したMF中村俊輔(32=横浜)の後継者として「日本の司令塔」の重責を背負う。

 香川の背中に秋風が当たった。実戦練習でCKを任されると、風の方向を確かめるように夕暮れの空を見詰めた。右CKではニアサイドへの鋭いキックを連発。左CKに変わると本田らの頭を狙った高さのあるキックを蹴った。さらに原監督代行に呼ばれて右45度の位置から、右足のFKまで確認。最後のキックでは、岩政の頭にドンピシャで合わせてゴールを演出した。

 香川

 なかなかいいボールを蹴っていたでしょ。慣れてないけど、感覚で蹴った。オレはそこ(セットプレー)が課題だから。選手としての幅を広げる意味でも、いいボールを蹴ることができれば経験になる。

 「全権」が与えられた。本田が蹴る左足FK以外、右足FKと左右のCKは香川が蹴る可能性が高い。2列目から得意のドリブルとパスで攻撃を組み立て、セットプレーも任されることになる。C大阪時代も、ドルトムントでも「セットプレーは全然やってない。得意じゃない」という。それでも原監督代行は、ザッケローニ新監督の意向も踏まえた上で「香川に蹴らせた方がいい。香川には蹴る力がある」と日本の未来を託した。

 「俊輔の後継者」だ。これまで日本不動の司令塔だった中村俊が代表引退を表明。エース本田とともに、香川にかかる期待はいや応なしに高まってくる。04年アジア杯(中国・重慶)では欧州組で唯一、中村俊が出場を直訴しMVPを獲得。日本を優勝へ導き、代表で不動の地位を築いた。来年1月にカタールで開催されるアジア杯も、欧州組はシーズン中のため招集は難しい。だが香川はブンデスリーガが冬季中断期間に入るため、出場する可能性が高い。俊輔と同じサクセスロードで、ブラジルへと続く道を歩んでいく。

 香川

 代表で集まった時に、いいパフォーマンスを出していかないといけない。パラグアイ戦とは違うメンバーですけれど、問題はない。前の4人でうまく連動して、結果を出したい。

 グアテマラはFIFAランク119位の格下だが、舞台はC大阪時代に慣れ親しんだ長居になる。全権を任された21歳の闘志は高まるばかりで「点を取りたいですね。多少の疲れはありますけれど、それは問題ない」と宣言。W杯で16強入りした日本に感動と、興奮を再現させるため-。パラグアイ戦に続く2戦連発で、新生日本の司令塔の座を不動にする。【益子浩一】