埼玉県内で4日、日本代表合宿がスタートし、アルベルト・ザッケローニ新監督(57)が就任後初めて練習の指揮を執った。

 初選出のFW関口訓充(24)は「お近づきのしるし」を持って合流した。この日、JR仙台駅を出発する前に宮城銘菓「萩の月」の16個入り(2900円)を2箱購入し、新幹線に乗り込んだ。代表歴は06年のU-21(21歳以下)が最後。面識のある選手は少なく「高校から知ってる本田拓や『頑張りましょう』って連絡をくれた(細貝)萌くらい」だ。この日も「すごく緊張しました。ホテルの廊下や食事会場で全選手にあいさつしました」と自己紹介に一生懸命だった。

 その上で「仙台の関口」と認識してもらうため、また新顔としても、手土産持参が礼儀と考えた。まず牛タン、笹(ささ)かまを候補にしたが、日持ちを考えた。「20世紀を代表する土産品ベスト10」で、白い恋人(北海道)辛子めんたいこ(福岡)に次ぐ第3位の宮城銘菓に思い当たった。

 中身は1個ずつ箱分けされている。配りやすいが、露骨に配って回るのもどうか…。悩んだ末に「宿舎にはリフレッシュルームがあるんですよね?

 そこに置きます」と、落ち着いた。

 計32個では、ザッケローニ監督まで行き届かない恐れもあるが「いや、そこまでは」。そこは実力でアピールし、出場機会を奪い取るつもりだ。仲間には気配りで、監督にはプレーで。覚えてもらうことが、定着への第1歩だ。【木下淳】