11年ぶりに2ステージ制が導入されるJ1リーグが7日に開幕する。各クラブが移籍などで「新戦力」を補強。昨季の3冠王者G大阪は、仙台からFW赤嶺真吾(31)が加入した。宇佐美とパトリックの2トップが先発の基本だけに、赤嶺はスーパーサブとして「2桁得点」をノルマに掲げた。

 180センチに輝く背番号「24」。赤嶺はかみしめるよう今季に懸ける思いを語った。「先発でも、途中出場でもどんな形でもいいからFWとして、チームに貢献したい。ゴールを取ることが仕事。2桁得点を目指したい」。昨季9得点を挙げた仙台を去り、最強軍団の仲間入りを果たした。

 G大阪の看板は宇佐美とパトリックの2トップ。昨季は2人で19得点を挙げ3冠へと導いた。必然的に赤嶺はスーパーサブとしての起用が増えそうだ。クラブではかつて、松波ら豪華な顔ぶれが後半途中から流れを変え、そして試合を決める1発を刻んできた。赤嶺も同じ重責を担う。

 実際に2月24日の広州富力(中国)とのACL開幕戦は後半途中から公式戦デビューを飾った。28日の富士ゼロックス・スーパー杯では初先発。今季1冠目獲得に貢献したが、ゴールはない。「次もあるしその次もある」と決して振り返らない。長身を生かしたポストプレーに加え、鹿児島実時代から築き上げてきた前線への動きだしには自信を持つ。

 沖縄出身で今回が初めての大阪での生活だ。1月に単身でやって来た。度重なる合宿や、ACLなどの遠征でいまだにホテル暮らし。荷物も車に入れっぱなしだ。「落ち着かない…」と戸惑いも隠せないが、ようやく家も決まった。7日の東京とのJ1開幕後に引っ越す予定で、今月末には家族も来阪する。

 富士ゼロックス・スーパー杯を終え、現在は明日3日のACL城南戦のために韓国入りしている。「自分にも試合に出るチャンスは来る」。大きな挑戦を始めた31歳は、ひたすらゴールへと向かう。【小杉舞】

 ◆赤嶺真吾(あかみね・しんご)1983年(昭58)12月8日、那覇市生まれ。鹿児島実から駒大を経て05年に東京入団。08年には日本代表候補にも選ばれた。10年8月に仙台へ期限付き移籍し、翌年から完全移籍。今季G大阪へ完全移籍した。J1通算236試合68得点。180センチ、77キロ。

<G大阪の歴代スーパーサブ>

 ◆松波正信(在籍93~05年)言わずと知れたミスターガンバ。00年第2ステージ(S)は全15試合に途中出場し2得点。翌01年も年間30試合中21試合、02年は30試合中22試合が途中から。

 ◆吉原宏太(00~05年)04年第2Sは15試合中9試合で途中出場。リーグ初制覇した05年は、出場した19試合中17試合が途中からだった。

 ◆播戸竜二(98~99、06~09年)なにわの闘魂FWと呼ばれ、09年は出場したリーグ全21試合で途中出場。優勝した天皇杯も出場した3試合すべてが途中からだった。

 ◆平井将生(06~11、13年)一時は代表入りも期待された生え抜きで11年は21試合中10試合が途中から。13年も17試合中12試合が途中出場。