国内クラブの実力は、代表チームの実力を映す鏡だ-。浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(57)が25日、合宿中の宮崎・国際海浜エントランスプラザ多目的広場で取材に応じた。オーストラリアで開催中のアジア杯について言及。「いろいろ試合を見ましたけど、韓国代表の実力が、頭ひとつ抜けている」との見解を示した。その上で、指揮官は韓国サッカー台頭の要因について分析した。

 ペトロビッチ

 私たちがアジアチャンピオンズリーグ(ACL)で対戦する水原三星であったり、ソウル、全北現代などクラブも強いチームがそろう。以前は外国人に頼るチームづくりをするところが多かったが、ここ最近は韓国人選手を中心にした選手づくりに変化してきている。

 手っ取り早く結果を求めるなら、外国人選手を中心に戦うのも一手。そうではなく、自国選手を柱に据えて、経験を積ませ、実力を培わせたことが、代表の強化につながったとみる。

 

 ペトロビッチ

 そこには韓国サッカーの努力があると思うし、各クラブのそういうチームづくりの中で、彼らが強くなってきているのは、とても素晴らしいことだと思う。

 

 アジア杯での日本の敗退を「不運な形で負けたことは残念。代表が活躍することが、日本を盛り上げるだけに、私も非常に残念」とわがことのように悔しがる。日本代表の強化に、自分が率いる浦和のチームづくりを通して寄与したい、という気概を持っている。

 ペトロビッチ

 日本でも、日本人中心のチームづくりをしているクラブが多くなってきている。そこには、韓国と共通している部分があると思う。

 今季の浦和は、外国人選手は大宮から加入したFWズラタンただ1人。日本人中心の陣容でACLの上位に進出し、主力を任された選手たちに貴重な経験を積ませることは、確実に日本サッカーのレベルアップにつながると踏んでいる。「なぜ外国人を補強しないのか」という批判があるのは承知の上だ。日本サッカーをもっと強くしたい-。高い志を胸に、浦和がアジアの頂点を目指す。