<J1:清水1-1磐田>◇第10節◇3日◇日本平

 2万330人の大観衆が見守る中、意地とプライドがぶつかり合った。清水と磐田の今季初の静岡ダービーは、1-1の引き分けに終わった。清水はダービー初出場のFW原一樹(23)のリーグ戦初ゴールで同点。後半20分には磐田MF河村崇大(28)の退場で数的有利に立ったが、勝ち越せなかった。

 ゴールへの思いが原を突き動かした。0-1の後半3分。DF市川の右クロスから生まれたこぼれ球が、ゴール前の原の視界に。「無我夢中で、ゴールにボールを入れるよう足を出した」。思い切り伸ばした左足は、GK川口よりも早くボールに触れた。ダービー初出場でリーグ戦初得点。「1点を取れたのは大きな一歩になる」とほほ笑んだ。

 好きな言葉が「和気あいあい」の若武者は、全員の思いを背負ってピッチに立つ。昨季リーグ戦出場は1試合。ほとんどをサテライトで過ごした。腐らず練習できたのには仲間の存在があった。「悔しさ、愚痴、悩みをこぼし合ってきた。一緒に支え合ってきた」。得点後、スタンドで「一樹~」と手を振る仲間を指さした原。「陰ながら勝利に貢献しているチームメートに、取ったぞって表現したかった」。先月27日にA契約となった時には、「お世話になっているから」と寮の仲間にすしを振る舞った。それ以上にこのゴールで感謝を伝え、喜びを分かち合った。長谷川監督も「一樹が取ったのは非常に大きな結果」と喜んだ。

 1人少なくなった宿敵を撃破できず、原は「勝ちたかったッス」と口をとがらせた。それでも原が先発してから公式戦5戦負けなし。「次(6日新潟戦)は絶対に勝てるよう頑張ります」。原のがむしゃらさが、清水を上昇気流に乗せていく。【浜本卓也】