新生千葉リバプール方式で白星発進/J1
<J1:千葉1-0京都>◇第12節◇10日◇フクアリ
新生千葉が、白星発進した。11戦勝ちなしでクゼ監督を解任し、リバプールのヘッドコーチ(HC)だったアレックス・ミラー氏(58)を監督に招いての初戦。リバプール方式の中盤とDFのフラット4が機能し、京都を圧倒した。後半23分にMF工藤浩平(23)の右足ゴールで1-0で勝ち、12戦目にして今季初勝利を挙げた。
至福の瞬間が訪れた。今季初勝利を飾った千葉イレブンと1万人のサポーターが一体となって、フクアリを揺らした。マイクを握ったMF谷沢が「オレたち?」とサポーター席にマイクを向けると「ジェフ!」の答え。それを3回繰り返した。試合終了後20分がすぎ、イレブンがロッカー室に消えても、誰も席を立とうとしない。昼田GMは「優勝したみたいだね。負けても応援してくれたサポーターに感謝したい」と頭を下げた。
荒療治が効いた。クラブは11戦勝ちなしのクゼ監督を、浦和戦の翌日(7日)に解任した。8日にはミラー新監督、沢入ヘッドコーチ(HC)の新体制を発表。中3日で試合を控えての決断だった。当然、選手たちは戸惑い、危機感に襲われた。ある主力は「このままだと、シーズン後に我々もどうなるか分からない。変な空気だった」。危機感がモチベーションになり、この日は最後まで運動量が落ちなかった。谷沢は「最後の笛が聞こえた瞬間、ピッチ上に座りたかった」。まともに立てる気力も残さず、走り抜いた。
リバプール式フラット4がさっそく機能した。中盤とDFラインが4人ずつ並ぶシステムで、相手に仕事をさせなかった。中に入ったボールは2ボランチの斎藤、下村がつぶし、サイドに追いやった。ボールを奪うと、間髪入れず2トップにロングボールを送り、チャンスを広げた。リバプール式「堅守カウンター」。そこから後半23分には工藤が右足で決勝点を入れた。その後も相手の猛攻を横2列の8枚の壁がことごとくつぶし、最後まで決定機を与えなかった。
ミラー新監督が就労ビザを取得できなかった関係で、この試合は沢入HCが指揮を執った。だが、同監督はこの日に来日、試合前に突然ロッカー室に現れた。「仲間を信じてのびのびやってくれ」。それまで雑談しながらテーピングなどをしていた選手は、手を止めて新監督の目を直視した。沢入HCは「アップ前にミラー監督がロッカー室に来て選手たちの顔が変わった。実はそのとき僕は勝利を確信しました」と振り返る。まさに「ミラ来る(ミラクル)初勝利」。新生千葉が産声を上げた。【盧載鎭】
[2008年5月11日9時15分 紙面から]
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