大逆転の決勝トーナメント進出は大黒柱が導く。コンサドーレ札幌は今日8日、ナビスコ杯予選リーグ最終戦のホーム柏戦に臨む。MFクライトン(30)は名古屋時代から対柏戦は5戦負けなしの3勝2分け、1ゴール2アシストと抜群の相性を誇る。決勝T進出へは大量得点での勝利が必要となるが、エースのダビは累積警告で出場停止とチーム状況は思わしくない。そんな窮地は、柏キラーを中心に乗り切りにいく。
“好物”の柏戦を前にクライトンは気合十分だった。普段はカメラを向けられると笑顔で「グーポーズ」を見せるが、試合前日の7日はいつもと違った。札幌ドームでの非公開練習後、報道陣に笑顔を見せることはなかった。ナビスコ杯11年ぶりとなる決勝進出は、極めて厳しい状況にある。公式戦はここ10試合で1勝2分け7敗と結果が出ていない。それだけに「どうしても勝ちたい。グッドな試合を見せる」と勝利へ気持ちを強くした。
正真正銘の柏キラーといえる。名古屋時代は3戦負けなしで1ゴールを決めている。今季も3月20日のナビスコ杯での対戦では、砂川のゴールの起点となった。同30日のリーグ戦ではDF西嶋、MF西のゴールをアシスト。今季のリーグ初勝利をもたらした。
得意の相手にも慢心はない。6日のミニゲームの途中、三浦監督に「ここの局面ではディフェンスは必要なのか」と確認するなど、1つのプレーにこだわった。久しぶりに右サイドハーフに入り、連係に不安を残していた藤田には3度、ワンツーを試みた。若い選手たちと監督をつなぐ役割も務めている。
取り巻く状況は厳しい。累積警告でダビは出場できない。今季、エースが欠場した4戦は全敗している。ここ4試合、シュート数25本に対し被シュート数は68本を数える。相手からすればダビがいない状況では、クライトンを徹底マークすれば勝機は見いだせると考えて当然。より攻め込まれる可能性は高くなるだけに、クライトンの高い技術とひらめきなくして、勝利はあり得ない。
各チームのきついマークを受け、すでに右太ももの内転筋は悲鳴を上げている。「ちょっとは痛いけどね。ただ、そんな、ことは言っていられないよ。問題ない」。わずかな可能性だが決してあきらめない。初めて見せた厳しい表情が、その証拠だ。【上野耕太郎】



