Jリーグは10日、先月17日のJ1第13節でサポーター同士が衝突した問題で、浦和、G大阪に厳罰を下した。ホーム浦和に制裁金としては過去最高額の2倍となる2000万円、一方のG大阪にもアウェークラブとして初の制裁金1000万円(ともにけん責)を科した。Jリーグの鬼武健二チェアマン(68)はこの日、都内で行われたJ1、J2実行委員会で処分内容をJ各クラブに説明。あらためて再発防止を訴えた。

 Jリーグが16年目となる歴史で、最も重い制裁を浦和、G大阪に科した。鬼武チェアマンはJ1、J2合同実行委員会を前に、9日の裁定委員会で決まった制裁内容を浦和藤口光紀、G大阪金森喜久男両社長に通告。実行委員会ではあらためて「今後、こういうこと、事件があってはならない。十二分に対応してほしい」と、J33クラブに再発防止を強く訴えた。

 鬼武チェアマンはホームの浦和について、G大阪サポーターの浦和サポーターへの物の投げ込み、誹謗(ひぼう)ともとれる横断幕の掲出、挑発行為を未然に防ぐことができなかったことなど初動の遅れ、警備体制の不備などを指摘。一方のG大阪についても騒動の起因となった行為、05年柏-名古屋戦でのトラブル以降、アウェー側にもセキュリティー担当を置くようにしながらも、騒動が起こった点などを問題視した。

 その上で「サッカースタジアムが危険である、という印象を社会に与えてしまった責任は重大」とし、G大阪サポーターが重傷を負ったことと合わせ、これまでで最も重い制裁に至った経緯を説明した。

 Jリーグでは現在、今後同様のケースには無観客試合や勝ち点はく奪など「強権」を発動する可能性を各クラブへ通達済み。また鹿島選手の酒気帯び運転など一連の不祥事を受け、法令違反や監督、選手の審判に対する悪態や異議にも、今月末をメドにJリーグ規約に罰則の内規を設け、厳しく対処していく方針を示している。