<J1:大分1-0新潟>◇第21節◇16日◇東北電ス

 デカしたゾ、デカモリシ!

 大分がFW森島康仁(20)のJ1初先発初ゴールで、新潟に1-0で完封勝ちした。首位との勝ち点3差をキープし、試合がなかった川崎Fをかわし暫定4位に浮上した。チームはこれでJ1昇格後、クラブ最長のリーグ8試合負けなしとなった。

 雨のシャワーが心地よかった。試合後、大きな「デカモリシ」コールに応え、大分FW森島がアウェー席に向かった。拍手と歓声で迎える大分サポーターに深々と頭を下げ、笑顔で手を振った。「これまで自分のことを『お客さん』といってきたけど、やっとスタートできた」。新天地での記念弾の味をかみしめた。

 前半17分。MF高橋の右サイドからのクロスに合わせ、ゴール前でMF金崎がシュート。GKに阻まれたが、こぼれ球にいち早く駆け寄った森島が、豪快に突き刺した。「(ゴール裏の新潟サポーターが)シーンとしていたので、入ってないかと思った」。入場3万8781人の大半が、新潟のオレンジ色で埋め尽くされたアウェーを意気消沈させる価値ある一撃だった。

 7月にC大阪から期限付き移籍で加入し、この日がちょうど1カ月目。デカモリシの存在感は、その名の通りデッカクなっている。初先発に抜てきしたシャムスカ監督は「相手DFを背負ってプレーできるし、スピードもある選手は、そうはいない」と評価する。

 森島ゴールで逃げ切り、リーグ戦は8試合連続負けなし。J1昇格後のクラブ記録を塗り替えた。京都にほぼ決まりかけた移籍交渉の末、最後は大分を選択した森島は「きたときからいっているけど、優勝を狙える。大分にきて本当によかった。感謝している」。前日15日夜、溝畑社長に「このままだったらC大阪に戻される。得点して(大分の)仲間になりたい」とこぼしていた森島が、有言実行ゴールで「お客さん」に別れを告げた。【村田義治】