なごみ系選手会長が「最後のピッチ」で、闘志むき出しプレーを見せる。1日に戦力外通告を受けたJ2仙台DF磯崎敬太(28)が、6日の草津戦(ホーム)に、先発出場が濃厚となった。通告を受けた6選手の中では、ベンチ入りメンバーも含めてただ1人、入れ替え戦出場をかけた大一番のピッチに立つ。サポーターに勇姿を見せられる最後の機会ととらえている磯崎は、勝利に貢献して仙台を去るつもりだ。

 J1昇格への救世主となるべく、クビになった選手会長が体を投げ打つ。昨季、左サイドバックのレギュラーだった磯崎は、今年のキャンプから右ひざ痛などに苦しみ、リーグ戦出場はわずか10試合。定位置を成長したMF田村に奪われていたが、大事な最終戦に思わぬ形で出番が巡ってきた。田村がインフルエンザにかかり、欠場の見通しだ。

 手倉森監督が「戦力外といっても、来季のこと。みんなが一丸となって最後まで戦う意識を持っている」と話すとおり、磯崎も準備に怠りはなかった。日ごろから率先して居残り練習をこなした。自ら課題に挙げるクロスの精度を上げるため、戦力外通告を受けた後もFW中原をパートナーに、ボールを蹴り続けた。磯崎は「積極的にクロスを(最終戦で)上げていきたい」と、得点に絡む仕事をするつもりだ。

 選手会長らしく、自分の将来よりチームの勝利を第一に考えている。

 磯崎

 勝ってセレモニーをしたい。(入れ替え戦を含め)あと3試合やる気持ちが強いけど最後だと思ってやる。冷静に熱くなりすぎず、テンパらずにやる。

 決して表には出さず、内に闘志を秘める磯崎。だが今回は、大好きな仙台を去る日を1日でも長くするため、激しいプレーを見せるつもりだ。「いろんな思いがあるけど、しっかり試合をする」。活躍すれば、移籍先探しにも優位に働くはずだが「まずは勝つこと」とあくまで縁の下で働く構えだ。昇格メンバーに名を連ねたい-。磯崎の胸中には、その願いしかない。【山崎安昭】