【グアム28日=永野高輔】コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(50)が、去就が微妙な状況にあるMFクライトン(31)の離脱を想定した“エース候補”に、MF上里一将(22)西大■(21)岡本賢明(20)の名を挙げた。いずれも22歳以下の若手だが、3選手ともに攻撃的なセンスが持ち味。2年連続キャンプ中に攻撃の核を失いかねないピンチだが、ヤングパワーに自覚を促すことで苦境を乗り切る。

 札幌の心臓部に、若い力を注ぎ込む。石崎監督がクライトンの代役に指名したのは、若手トリオだった。「クライトンの代わり?

 (中盤の底で生きる)ダニルソンはちょっと違う。ヤス(岡本)、カズ(上里)、ダイゴ(西)の3人」。実績のある砂川ではなく、これからの札幌を背負ってほしい3人を、あえて名指しした。

 今季は昨季まで原則、置かれていなかった「トップ下」のあるシステムへ移行する。2ボランチの4-2-3-1、もしくは1ボランチで中盤をひし形にした4-4-2。指揮官は「真ん中でタメがつくれてボールがさばける選手」としてクライトンをトップ下を想定していた。代役になり得るのは、パスセンスに加え強力なミドルシュートを持つ上里、本職はボランチながら昨季はFWや1・5列目で起用されるなど器用で運動量がある西、ドリブルにキレがあり、足下の技術もある岡本の3人だったのだ。

 既に石崎監督から個人的なアドバイスも与えられている。上里は「監督に『パスの幅を増やせ』と言われた。真ん中でのプレーは好き」と話す。岡本は「守備もできないといかん」と指示を出された。昨季27試合に出場と急成長した西は「チームの中心になる覚悟はできいる」と発言も頼もしかった。

 この日のグループ戦術の練習では、前線から積極的にボールを奪う動きが徹底された。「高い位置でボールを奪い一気に上がる。これが(勝ち点3を獲得するために)ホームで目指すサッカー」と指揮官。前線からプレッシャーをかけ続ける戦術は、運動量があるタフな若手にとっては定位置をつかむ大きなチャンス。レギュラー“確定”だったクライトン離脱となれば戦力ダウンは否めないが、若手を中心にした競争激化によるレベルアップで穴を埋める。※■はにんべんに吾