浦和MF原口元気(18)が4日、仙台杯国際ユース(9日~13日)のU-18(18歳以下)日本代表から外れた。浦和の信藤健仁チームダイレクター(TD)と渡欧中の日本協会・原博実強化担当技術委員長が電話で話し合って決まった。新潟DF酒井高徳(18)も外れ、代わりに京産大MF佐々木一輝(18)と成立学園高DF田辺圭佑(17)が招集された。

 原口は1日に同代表に選出されたが、現在7連敗中の浦和は13日のJリーグ山形戦に出場させるため11日にチームに戻すよう日本協会に求めてきた。J強化担当者会議での承認事項として1度は拒否されたが、3日に信藤TDが電話で原委員長らに再要求。集合日前日に辞退が認められた。

 U-18日本代表の布啓一郎監督は、11月のU-19アジア選手権予選(インドネシア)に向けて、5日からの合宿と仙台杯を重要な準備試合と位置づけていた。原口には攻撃の中心として全日程帯同を強く望んでいただけに、チーム構想は大幅な変更を余儀なくされる。今大会辞退で、11月の予選不参加も決まった。

 オランダ滞在中の大仁邦弥技術委員会本部長は「今回は本人のためにJリーグを優先した」と話したが、その影響は大きい。予選を突破すれば来年にはU―19アジア選手権(中国)、11年にはU-20W杯(コロンビア)がある。大仁本部長は「今後に影響はない。その都度(招集を)考える」と説明したが、信藤TDは「その世代は、すべてパスすることになる」と明言した。「活躍して上のカテゴリーで貢献できれば」と原口は話したが、クラブと協会の綱引きは、まだまだ終わりそうにない。【今井恵太】